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しばいてくぞ

ネットで統計 (2)

 

前回の記事から

次にWikipediaを使った統計。文学理論書では英米仏文学の話ばっかだし原作の読まれているその知名度もドイツ文学は一部を除いてかなり低いのが正直な実感だろうが、実際どうなのだろうか。

或る時、生前には現地でも無名のにいちゃんだったカフカに、Wikipediaで百数十超の言語数のページが有るのを見つけて大いに考えされたことがあった。現在では実に152言語だ。(ただ、Wikipediaがページによって言語数表記に多少の違いがあるので、挙げてく数字には1~2程度の誤差がある。)ブレヒト95・ヘッセ99・父マン104などを大きく上回り、ヘルダーリン56やH・v・クライスト58やシュヴァイツァー72やユング89やグリム兄弟90やシラー103は当然のこと、さらにニーチェ149・ウェルギリウス149をも上回り(!)、ルター161・ゲーテ171・ホメロス170・ダンテ172などに迫る。

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ちなみに、シェイクスピアで192、セルバンテスが160、ディケンズが146、ジョイスが131、アガサ・クリスティ119、オースティン109、ルイス・キャロル108、ドイル106、フォークナー97、パール・バック95、サリンジャー78、ユーゴー159、プルースト124、サルトル129、カミュ118、ヴェルヌ112、サン=テグジュペリ94、ウンベルト・エーコ96、トルストイ161、ドストエフスキー154、プーシキン146、ゴーリキー104、キルケゴール101、ミラン・クンデラ72、スヴェーデンボリ56、魯迅104、林語堂29、ガルシア・マルケス144、ボルヘス130、アストゥリアス76、アジェンデ63、フエンテス56、カルペンティエル49。

現代を見ると、トールキン131、J・K・ローリング113、G・R・R・マーティン79、ヨースタイン・ゴルデル52、しかしケルスティン・ギアがわずか15と、ドイツ文学は現代でも知名度が下がる。どうも最新ほど弱いのか、アンネ・フランクが106、グラスが100・ベルが87・カネッティが75・ハントケが50・ケストナーが49・バッハマンが40・クルーゲが24・ボート・シュトラウスが17・マルセル・バイアーとゲナツィーノが12… 。ただしイェリネクが87。

もちろん文学だから社会的重要(視)性に劣るというきらいがあって、例えばマルクスが181でフロイトが160の毛沢東155と、社会的インパクトがものを言ってしまうのが普通である(確かにウィトゲンシュタインが102、ハイデッガーが86)。だって『聖書』が236・『コーラン』が167なのだから(ちなみに『共産党宣言』が90で『我が闘争』が76で『毛主席語録』が36)。そうすると『論語』が41というのが考えさせられる。ただし孔子は208!チンギス・ハーン149や始皇帝166よりも多い。イエス245より少ないが何とムハンマド188・釈迦178を超す。儒教は世界での受容人口が比較的限られているほうなはずなのに。(ちなみに『聖書』はそもそも翻訳言語数も出版数も飛びぬけて多すぎる点を要考慮。)

さて、こう見てくるとカフカがいかに化物か分かる。権威なし・七光りなし・個人としての目立った行動等なし・そもそも生前には知名度なし・文学的成功への特別恵まれた教育や環境などなし・作品の生前ヒットなし・作品の社会的インパクトなし・身近なライバルたちなし、言い換えれば余計なバイアスなし、純-文学的パワー=作品の持つチカラだけでここまでの知名度と人気にのし上がっているのだから。

日本文学だと、紫式部125が飛び抜けている(『平家』が21で清少納言が49)が、明治大正の大物連が漱石48・鴎外30で他はもっと少なく、川端康成92や三島由紀夫82が意外と村上春樹78や大江健三郎78を上回っている。なお東野圭吾で13、宮部みゆき13、他もこんな数字。そうすると、手塚治虫が53・宮崎駿が79・AKB48が67・ビートたけしが55・宮本武蔵が63なんてのを見ると、嗚呼しょせん文学そこまで関心を惹かないなと思えるだろう。(ちなみに黒澤明が133というのも考えさせられる、なんたってゴダールが62でウディ・アレンが101でスピルバーグが125、チャップリンでやっと178なのだから。)

こう見てくるとカフカがいかに(ry

 

さて以上見てきたように、ウェブ上で統計が取れる。それも、最もたくさん見られているサイトから取る統計だから、世界中での受容度を知る上でそこそこまあまあ大概参考になるだろう。それに本記事に記しているのはたっだの純然サンプルにすぎないから、これを端緒に、自身でのウェブの利用(文字通り)方法を見つけていかれればよいのである。

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