25枚目シングル「しあわせの保護色」収録のじゃあね。にはブッ飛んだ。なんちゅう神曲なんちゅう神歌唱だ……。卒業のソロ曲はこれまでのどの曲もいまいち(ソロでない卒業曲なら神曲ばかりだしその卒業生には何の言うこともないのだが)だった中で太田夢莉卒業ソロ曲Acting toughが例外中の例外だった(そして今でも一番最高だぞ)ものだが、今回ここ卒業超々神ソロ曲コーナーにじゃあね。が加わったということになる。しかも歌ってる人本人が作った歌詞だ。白石麻衣自身の言葉で歌ってるのかと思うとそれはもう効きに効く。それにしても坂道ではメンバー作詞は初というが、そういうのだと、かつてNot yet北原里英作詞guilty loveというスンゴいにも程がある神曲があった(「収録発売」は板野友美作詞lose-loseが先ともwikipediaに書いてある)もので、後にはフレンチ・キスの人たちやDIVAの人たちや(歌唱が特に好みの)河西智美等の作詞などが有ってもっと後には山本彩作詞作曲(!!!)JOKERなんていう稀代の神曲(この人は大体の持ち曲を作詞作曲(!!)しているが…)があったりしたものだが、それは思い出しただけのことで、とにかくじゃあね。は乃木坂ソロ最大の快挙(の1つ)である。まちがいなくオフショアガールに並ぶ。
さて本題
相関詞(Korrelat)というのは副文・不定詞句の分身の代名詞のこと。「先行詞のes(anticipatory es)」。
「it ~ that」と同じもので直感的にわかりやすい上に、知られ渡っていて山ほど解説がある。
どんなんが相関詞か改めて見とくと、いつも通り文例は『唯一者とその所有』から採るが、
Da lässt sich's schwer entscheiden, ob Ich […]; nun wird's offenbar werden, ob Mir die Pietät […]
[…], so gerne er's auch nachsieht, dass Ich […]
というこの字で示した副文分身(副文はこの色な)。ここでは動詞の本命主語・本命目的語はもちろん副文だが、それと等価になっている分身。
いま
Der Duden in 12 Banden: 4 - Die Grammatik
- 出版社/メーカー: Bibliographisches Institut & FA Brockhaus AG
- 発売日: 2016/08/01
の第1262項(835~836頁)を見ると、後域(Nachfeld)に来ている副文〔と不定詞句〕に先行して中域〔Mittelfeld〕に現れる相関者esがKorrelat、とある(後域というのは枠構造の右端の右、文末動詞とかのまだ後ろに送られる要素のこと)。前域(Vorfeld)に現れることもあるが、それは、副文不定詞句が1格主語になっているときに限る。4格なら中域限定。とはいえ、現行の文法書の言うことは事象をカバーしていないもので、例外が必ずある:
[…]; was auch kommen mag, es weiss der Chinese immer, wie er […]
そもそも相関詞に限らず4格のesは前域に決して置けないのだから、大胆な例外である。前前域(Vorvorfeld)の譲歩文の言い換え(後述)のように見えて筆が滑った?
このように、Korrelatはまずesである。dasとかではない。また、相関する副文・不定詞句の前に来る(後には来ない)、つまり「先行」する。
Dass er nicht entfloh, war eben seine Schwachheit, […]
を〈* Dass er nicht entfloh, war es eben seine Schwachheit, […]〉とすることができない。後に送ってしまった要素に今触れる必要があるから使うというものだから「先行」してこそなんぼなのだろう。