地上最強のブログ

しばいてくぞ

機能動詞(セット)が何なのか分かってるか (3)

 

前回の記事から

直前回の記事の冒頭で、動詞とセットの名詞が文法的「語」で半ばなくなっていることの例として代名詞に置き換えれない点を挙げている。

これはFVGや本シリーズがFVGと見なしている結構の名詞(Wein, statt, Geige)の説明などでよく言うことであり、まあとにかくその通りと聞いておくことではある。

しかし、現実現物ナマの言語の現場では、文法の通りにはいかない。ことがある、少なくとも。まず大一般論としてそうであり、外語テキストに取り組んでいるいかなる誰もがまず体験していることであろう。自分も本シリーズ以外の色んな項目や話題でこういった現実言語の非文法規則ふるまいを見てきたところではあるが、いかんせん記録して来なかったもので、今たまたま本シリーズに関するイレギュラーを見つけたのを記しておくことにする。

クライストにそういった例外が有る(ここから引用):

僕たちのオフショア

僕たちのオフショア

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  • 発売日: 2013/08/14
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Denn nur auf gänzliche Hülflosigkeit ist diese Anstalt berechnet, und wer noch auf irgend eine Art sich selbst helfen kann, der findet hier keinen Platz, weil er ihn einem Unglücklichem, Hülfsbedürftigern nehmen würde. (Brief 22, An Wilhelmine von Zenge, Würzburg, den 13. (-18.) September 1800)

これこの通り、FVG「((k)einen) Platz finden」の名詞を代名詞で置き換えているのである!!!!これは文の流れからPlatzを代名詞にするしかないという文の形を見て取れるが、ここからFVGの名詞にどんな意識をしているのだろうかを推測することができるだろうか。

「心配する」を機能動詞セットとするなら「する心配があるなら」というような置き換えかも知れない。いや、日本語には存在しない代名詞を日本語で勝手に設定するのが日本人は大好きなのだから、さしずめ「するそれがあるなら」か。