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しばいてくぞ

弱変化名詞の語尾落ちるショーペンハウアー

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前回の記事から

ておきたいが、オツムの差というのは単なる差異に尽きるものではない。お前とお前らと俺と俺らに知能や知性に違いがある、それは、住んでる宇宙が全く違い、理解の構造がまるで違うということに等しいことなのである。ようおぼえとけ。ハナシっちゅうのはだ、自分に等しいとか自分レベルぐらいの奴としかできないものなのである、原理的に根本的に。自分と差異がある奴とは、話できる距離に近付くことなど一生ない。)

だから、同質な悟性が誰にもあって話せば話してればいつかは通じるということなど無いということになる。何という非コミュニケーション論だと言いたくなるだろうが、言いたくなる前に現実を見よう。ショーペンハウアーが言ってる通りだろう。自分の日常の観察をつらつら思い出せばわかることだ(←と書いたんだから思い出せよ。ここで一旦この文章を読む手を置くこと)。また、この記事の1文章からリンクしてったらいい過去記事でさんざん見てきたように、自分を他人に寄せるのを阻害する無数の認知欠陥でがんじがらめになった絶望的愚鈍動物が人間だということが科学的に明らかになっているのが現代である以上、何ともモダンで現代的なコミュニケーション論ではないか。というかコミュニケーションなどというクソしょーもないゴミ話題などはどうでもいいとして、各人がオツムの出来が違ってしまっているという現実、そこには断絶が有るだけであって疎通の妄想などしないようにしようという認識、こんなんをちゃんと聞いておきたいところである。

Große Unterschiede im Grade und dabei in der Ausbildung des Verstandes öffnen zwischen Mensch und Mensch eine weite Kluft, über welche nur die Herzensgüte setzen kann, als welche im Gegentheil das unificirende Princip ist, welches jeden Andern mit dem eigenen Selbst identificirt. Jedoch bleibt die Verbindung eine moralische: sie kann keine intellektuelle werden.

(Schopenhauer, Die Welt als Wille und Vorstellung Bd.2 (1844), S. 146–147)

 

(こうやってヒト同士の知能知性にたいがいな断絶が出来てしまうのだが、ここでヘンに博愛発揮して、全人間をひとしなみに平等化して、何なら例のオンリーワンを唱和したくなるかも知れない。しかしそんなのは、事実上のことではなくて、単なる気持ちの上のことにすぎない。)

とのことで知的レベル断絶論のダメ押しであるが、それはともかく、いま、引用文中に下線付しておいたところに注目。zwischenが3格支配なのだから弱変化名詞のMenschはこのままの形ではあれないはずだ。「Menschen und Menschen」でないとおかしい。

これは、

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が特に第1530~1533項(973~977頁)で解説している名詞の語尾消失という現象である(他の箇所でも解説している)。消失する名詞と場合は色々あるのだが、今の場合は、冠詞形容詞等が付いていない弱変化名詞で消失するという話である。例を探しに『唯一者とその所有』を見に行くと、なるほど冠詞が付いていると

Man muss Gott mehr gehorchen als dem Menschen, […]

Max Stirner: Der Einzige und sein Eigentum

と弱変化名詞には語尾が付く(当該名詞はすべて単数)のだが、裸だと、

Die Arbeit müsste ihn als Menschen befriedigen: […]

Max Stirner: Der Einzige und sein Eigentum

と語尾が付く場合もあれば、たしかに

[…] wenn er sich als Mensch_ weiss, […] zeigt sich der Mensch allerdings als Mensch_, […]

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と語尾が付かない場合もある。とはいえ、今の例に関しては、第1546(986~987頁)で言っている「als句またはwie句が再帰動詞の目的語になると4格でなくなり1格になってしまう」という現象なようである…。

気を取り直していずれにせよ「ohne [eigenen Dirigenten]」が「ohne [Dirigent]」になるということである(974頁)。ところでこのDedenによる名詞語尾消失考察はまだまだあってどれも興味深いのだが、どれだけ興味深いかを例示してお

次回の記事に続く