- 作者: 国松孝二
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1999/11/01
の「nicht」の項の2・ii)(2011年版の1630頁)、部分否定の説明で、「否定すべき成分を文頭に置いて」としながら、
So etwas tun Deutsche nicht. そんなことはドイツ人はしない.
という例文を挙げている。
一見奇妙ではあるが、文頭かそこに近い語句が有題化の「は」が付いている語句であるという構文上の特徴と、否定(~ナイ)とは常にデハナイという否定であるという否定の意味本義を考えあわせれば、なるほど判らない語順ではない。ソンナコトハ………ナイ。特におかしくない語順なのである。
しかし本当は[nicht so etwas]という塊が欲しい、こうであってほしいだろう。しかし、前記事に見たように、句は分離する:
- Geld habe ich heute keines.
- So etwas tun Deutsche nicht.
ということ。元は[kein Geld]であり[nicht so etwas]であったワケだ。
謎の部分否定構文を、このように句分離という点で見てみた。
- 前田 敦子
- 発売日: 2017/01/25
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ところでG・トラクル(Georg Trakl, 1887–1914)のVerklärter Herbstに
Gewaltig endet so das Jahr (/ Mit goldnem Wein und Frucht der Gärten.)
という文がある。この「so」がよう分からん。
まず、「gewaltig」と一緒に「endet」に係ることはできないだろう。むしろ「gewaltig」に係ることしかできないはずだ。副詞に係る副詞。つまり
- Geld habe ich heute keines.
- Gewaltig endet so das Jahr […]
という句の分離が起きているのでないか。
ただ、そうだとするなら、[so gewaltig]だとするなら、soにそこまでアクセントが付いていないことになる。ところが、韻文の説明は省くがこの詩行では „so“がHebungという位置に来ており、がっつりアクセントが有ることになってしまっている。そんな強い„so“は単独で動詞に係ったほうがいい(So endet ……)。
つまりこの行は
Gewaltig endet + so endet
だということになる。「パワフルに・そのように、師走になりました」。翁。
wer…der…文なりwenn…so…文なりに似ている。
これは、pleonastischである。。二重完了なども想わせるが、それとは違う。二重完了には現在明確な役割と意味が有る一方で、wenn…so…文の「so」や似非パワフルな「so」は無くてまったく構わないものである。自転車を競輪する。
(ちなみに賭博競走の中で、競艇はガソリンとエンジンの仕事、競馬はただの動物虐待、競輪のみ人間が自力を使っている、知ってたか?)