地上最強のブログ

しばいてくぞ

ニーチェと脳 (3)

 

前回の記事から

のクソゴミ大正売文夢野臭作(とハッキリ言ったらいいことだ)の「電話交換局」や「細胞」など勝手に思い出しとけばいいことだが、こういう流布した言説など、19世紀にとっくに言われていたことのようである。

さて上掲文の脳に関する評言、肯定的なのか否定的なのか、1884年夏~秋の次の断片に答えを見ることができるだろう。この断片は、抽象的単一的な意識内容とどのようにして具体的超複雑な身体運動がつながるのかという1880年代積年の問題を考察する文章である。

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Der bestimmteste Wille (als Befehl) ist eine vage Abstraktion, in welcher unzählige Einzelfälle einbegriffen sind und also auch unzählige Wege zu diesen Einzelfällen. Was bringt nun die Auswahl des Einen Falles zu Stande, der wirklich eintritt? Thatsächlich gehören eine Unzahl von Individuen zur Ausführung, die alle in einem ganz bestimmten Zustand sind, als der Befehl gegeben wird — sie müssen ihn verstehen und auch ihre spezielle Aufgabe dabei d.h. es muß immer von neuem bis ins Kleinste hinein befohlen (und gehorcht) werden und dann erst, wenn der Befehl zergliedert ist in die Unzahl kleiner Unterbefehle kann die Bewegung vor sich gehen, die von dem letzten und kleinsten Gehorchenden anhebt — also eine Umkehrung findet statt, wie beim Kanonenschuß-Traum.

Hier ist die Voraussetzung gemacht, daß der ganze Organismus denkt, daß alle organischen Gebilde Theil haben am Denken Fühlen Wollen — folglich daß das Gehirn nur ein enormer Centralisations-Apparat ist.

(Nietzsche, 1884,27[19])

 

(何カヲシヨウと思ったり言ったりするのはなんとも漠然とした声かけにすぎず、具体的にスル何かのほうは数限りなく有ってしかもスルための前段階前々段階…も含めるとスルことは是無際限である。その中でどれかが実際に打たれる一手になるのだが、この辺はどうなってるのだろうか。例えば漠然と〇〇するよう言われる際、言われる実行者は数際限なく居てしかもみんな独自の状態にある。その上で、この単一の漠然命題を受け取って、且つ自分の担当をスルことになる。もうちょっと言うと、漠然命題が実行の階層を下るごとに細分化していき具体化していき、最下階層に最小命令最細命令が届いた時点でアクションが始まる。こんな風にして漠然抽象命題が具体的アクションにつながるのだが、その模様、興味深いことに、夢で砲音を聞く場合と同じく、常識のちょうど逆の順になっている。アクションとはシヨウとの意志→末梢実行部という順で起きるのではなくてその逆である。いずれにせよ、実行というのは構成員全体が成すものである。生体に於いては各器官各細胞全部が或る意味で考え感じ命令している。その無数の命令を統括するスパコン並みの超中枢が、脳である。)

というようにして昔年の意志-運動問題に一定の答えを与えつつ、一言加えたコメントで脳に触れているのだが、このような途轍もなく一筋縄でいかない問題の意味がすべて篭もるところの膨大な命令セットの統括と実行、そんなタスクを実に脳器官に一任してしまい、「enorm[ ]」「Centralisations-」などと評するという様子、脳機能の凄さを相当正確に認識していることがうかがえるというものだろう。

さらに、1885年4月~6月成立の断片に曰く:

Die umgekehrte Zeitordnung.

Die „Außenwelt“ wirkt auf uns: die Wirkung wird ins Gehirn telegraphirt, dort zurechtgelegt, ausgestaltet und auf seine Ursache zurückgeführt: dann wird die Ursache projicirt und nun erst kommt uns das Factum zum Bewußtsein. D.h. die „Erscheinungswelt“ erscheint uns erst als Ursache, nachdem „sie“ gewirkt hat und die Wirkung verarbeitet worden ist. D.h. wir kehren beständig die Ordnung des Geschehenden um. — Während „ich“ sehe, sieht es bereits etwas Anderes. Es steht wie bei dem Schmerz.

(Nietzsche, 1885,34[54])

 

強さと弱さの間で(秋元才加、梅田彩佳、大島優子、大堀 恵、河西智美、小林香菜、野呂佳代、増田有華、松原夏海、宮澤佐江)

強さと弱さの間で

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(意識上のプロセスでは現実の時系列をさかのぼることになる。いま外界があるとしてそれを受容する、その際には、脳に、刺激なり情報なりが電報かなんかのように届いて、認知可能な形成物に仕立て上げられるのだが、そうなると、次に、刺激源情報源の探索が始まってしまう。いいだろうか、認知されるものは脳で造ったものであり、「源」とは脳であって外界ではない。それが何と、「源」が外界に有ることにされてしまう(脳→外界と投映)のである。そしてこれが、意識なのである。意識とはこういう逆行遡行なのである。「現象」というものは

次回の記事に続く