地上最強のブログ

しばいてくぞ

High-Intensity Training the Mike Mentzer Way (4)

 

前回の記事から

HI   I   Tとその周辺はおろかトレーニングに関する知識すらほとんど無いというような人でも、H I Tの際に挙上に補助を付けるという絵は知っているものだ。それぐらいに有名なこの補助付け、フォーストレップスのことであるが、元来は挙上の強度を少しでも落とさないための方法である。例えばディセンディングセット法またはドロップセット法を強度を減じるだけだとして厳に否定している(91頁)が、これは言い換えれば、補助を付ける以上は痛みで声が洩れるほどの強度を動作筋にもたらせゆうことで、例えば《このセットは12レップスだから》というようにノルマを消化するつもりで補助を付けるのなど何の意味も無い行為なのである。(その補助の回数つまりフォーストレップス数はいくらか、ワークアウトのどこでフォーストレップ法を行うかといった具体的な話については本商品を参照せよ。買って読め)。H I Tというのは実際、メンツァーがこの部だけでも3回 "brutal" という語を用いていることが象徴しているように、えげつない・過酷なトレーニング法であり、このサディスティックな行為を行ってきて(映像に残っていないのだが…)世界のトップレベルに居たのであり、この方法以外に筋肥大の方法は無いと確言し、さらには、

多数のボディビルダーが1日3時間の低強度のマラソン式トレーニングを行って並外れたフィジクをしているという事実、これは何も語っていない。この人たちはHI   I   Tを適切に行っていればもっと速くもっとデカくなっていただろうし、或いはもっと速く今のレベルに達していただろう。週に6日、どの日も数時間のトレーニングをして、その上で自分はハードにトレーニングをしていると言っている手合い、こういう手合いは全員、ハードトレーニングがいかなるものであるかを知っていない。(43頁)

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と言い放つほどまでに決然としている。

事前疲労法に関して、事前疲労用のアイソレート種目とその次のコンパウンド種目との間はインターバル皆無("zero rest")がベスト、少なくとも器材間移動時間以上の時間を取るとこの方法の効果が大幅に落ちると書いてある(89頁)。よって事前疲労法とは、レッグプレスの前にはレグエク、プレスの前にはフライという単なる種目の順番、そういうノルマ的なことを意味しているものではないということが判る。

パーシャルレップ法も取り入れている(95〜96頁)が、これは弱点部位を強化することを目的としているのであって、パーシャルの動作ばかり行っているトレーニー(主にスクワットに居る。ただこれは、フルスクワットが膝に悪いという虚偽を信仰しているからでもあろうが)など、意味の無いことをしているようである。

どの種目でもそうだが、こういったミッドレンジでの挙上〔パーシャル〕は、普段行っているフルレンジでの挙上に追加的に加えたものにすぎない。〔中略〕フルレンジの挙上を行わないと誤りなのであって注意されたい。〔中略〕もう一度強調しておくが、パーシャルは、普段行っているフルレンジでの挙上に追加的に加えた場合にしか効果が無い。〔中略〕遅れをとっている部位にのみ行うこと。1部位につき1セットを超えない1種目のみにすること。(96頁)

H I Tではセット数が少ない(というより1セット厳守・1セットで殺しきる)ということが知られているが、なぜか同時に、限られた種目を行ってバリエーションに乏しいとも誤解されている。それはそもそも本書がトレーニングについて触れているあらゆる箇所が反論になっているような浅薄な誤解であるが、今問題にしている第3部だけを見ても、

ワークアウト全体をこのようにネガティブのみで行ってもよいし、上で解説したようにポジティブレップスとフォーストレップスと一緒に行ってもよい。〔こういったバリエーションに関しては〕その時その場に応じて創意工夫されよ。例えば、事前疲労法に於いて、アイソレート種目ではポジティブ・フォースト・ネガティブを行い、コンパウンド種目ではネガティブのみを行う、というのもよい。〔改行〕以上述べてきた手法には組み合わせが無限通り有って、同一の型のワークアウトが無いということになる。全種目でネガティブというのは止めたい。高強度すぎてオーバーワークになる。(93頁)

と書いてある。実際メンツァーが激しく攻撃する高頻度・ハイボリューム型トレーニングのほうこそ数々の器具を必要とする。HI   I   Tの考えで行けば、筋肥大を促す苛烈な収縮強度を得る手段さえ見つかるのであれば、時間はもちろん器具にすら束縛されないのである。例えば、H I TからやがてEconomic Training (ECT)に辿り着いたStephan Deininger氏がいる。

これに関して、H I Tはノーチラスマシンを前提にしているという勘違いが有るが、まずメンツァーはそもそもフリーウエイトをマシンと等価に見ており(104〜110頁)(逆に見れば、筋肥大にはやっぱりフリーウエイトというよくある妄信にも傾いていないとも言える)、本書の実践編(115〜162頁)で提案している諸種目、フリーとマシンどちらにも偏ってはいない。

本書は文章がかなりクセが強く、読み詰まる所が多々あるが、トレーニングのそこそこの知識が有れば、何を論じているのかは問題なく判る。

次回の記事に続く