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しばいてくぞ

weil? denn? da? ja! doch… (1)

 

dennとweilの違いぐらい知っていると思っていた。初めはそうだと思ってた。

ハート型ウイルス

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この自明さすら裏切って来る。

はい dennは等位接続詞、文頭に置いて定動詞の位置に影響を及ぼしません!
はい weilは従属(させる)接続詞、副文を作って定動詞を文末に来させます!

でもないことも有る。ことは有名な口語現象で大したことではない。喋らしときゃええねん。例えばVariantenGrammatik des Standarddeutschen内のVerbzweitstellung nach weil, obwohl, während, wobeiという記事(なおウェブ上典拠をこのように示さねばならない事についてこの記事を見られよ)を見ると、weil後の「定動詞第2位〔V2-Stellung (Verbzweitstellung)〕」というのが有ってこれは口語で南ドイツ方言の特徴だと言われているが、ところで現れるのが概ねインタビュー文字起こしなどの間接話に限られる、Der Standard紙に

Natürlich geht es nicht darum, den Schmerz aufzugeben, weil Schmerz ist auch eine Form des Kontaktes zum Verstorbenen. (Der Standard).(前掲ページ

というのがある、と書いてある。題の通り他の従属さ接続詞の同現象も見ているが、まずwährendがweilと同じようなもん、obwohlとwobeiに関してはV2だといわば《非制限用法》的に「主文」に「譲歩」「付帯状況」を掛けることになり、普段副文を成して「主文」に《制限用法》的に係るのと異なった振る舞いをしている、と述べている。

Das spare ich mir für das neue Programm auf. Obwohl. Man weiß es nicht. Ich probiere viel spontan aus. (Rheinische Post).(前掲ページ

Aber der ist gerade snowboarden. Wobei, heute Abend wollte er wieder hier sein. (Stuttgarter Zeitung).(前掲ページ

いやこんなんはどうでもええねん!!!

我々文献学者に重要なのはweilがどういう論理連関を導くかである。真っ先に超簡単に言うと、

  1. A weil B = BなのでA
  2. A denn B = Aだがなぜ私がそう言うかというとB

と長年かけて推定していた。後年、ドイツ語理解には役に立たないが言語そのものの理解には役に立つ例の奇想家がそう言っていると信徒が祖述しているのを読んだ。

関口ドイツ文法

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  •  
  • の1153~1154頁。

こいつの時点ではweilとdennのこういった棲み分けしか判っていなかったのだが、そんな生易しいものではない。しかも別に理由文導入不変化詞はこれでけではない。

  1. A da B = BなのだからA
  2. A ja (doch) B = BなのだからA

も有る。weil / denn二択しか頭にないのやめろよ。

しかも1.と3.が従属(した)副文を作り、2.が両文を等位し、4.が文の中に紛れるという混線ものだ。4.を2.と同じものとして挙げているのが

詳解ドイツ大文法 POD版

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  • 出版社/メーカー: 三修社
  • 発売日: 2002/03/15
  •  
  • これの495~496頁

橋本の時点(1950年代)では日本で知られてない知見だから仕方ないという事だろうが実際は3.と4.が同じで、4.が相手の既知に訴えかける着色詞である。

これらにnämlichなりsintemal (und alldieweil)なりを加えてさらにweil / denn二択お題目の無知たちをおちょくっていても仕方がない。これら以外にもまだまだ有る。理由を表現するための言語戦略が様々有るという話をしていなけれならない。例で見ると:

  1. ihre Stimme droht aufzugehen im Abend, weil sie nur so schaukelt
  2. ihre Stimme droht aufzugehen im Abend, denn wir nur so schaukeln

daと着色詞も例で見ると

  1. die Welt gehöre mir jetzt, da das Leben halt kurz ist
  2. die Welt gehöre mir jetzt, das Leben ist ja halt (halt doch) kurz
ジコチューで行こう! (通常盤)

ジコチューで行こう! (通常盤)

weil副文が前文に内的に係る。揺レテルトイウ理由デ声ガ…。denn以下が話し手の発言理由、dennはメタ発言。吸イ込マレソウ、ソレハダッテ僕ラコウシテ…。da副文が聞き手との既知共有。皆知ッテルヨウニ人生ナンテノハ…。

次回の記事に続く