地上最強のブログ

しばいてくぞ

High-Intensity Training the Mike Mentzer Way (3)

左胸の勇気

左胸の勇気

  • 乃木坂46
  • 発売日: 2014/04/01
  • メディア: MP3 ダウンロード

 

前回の記事から 

なおまた、丁寧に本書を読んでいけば、スクワットならポジティブ動作での挙上不可能レップまで行えばよくてフォースト+ネガティブによるオールアウトまで進まなくていい(146頁)だとか、大腿のアイソレート種目がレッグエクステンションしか存在しない(145頁)だとか、カーフですら高頻度・多レップスが「断じて誤り〔Wrong! Wrong! Wrong!〕」であって週1回を超えてはならず他の部位同様高重量・フルレンジ・挙上不可能レップまでの方法で1セットのみを厳守(「How many sets? One」)とすること(146頁)だとかいった、様々な参考になる記述が見つかる。

高強度(high intensity)が高重量ではないということは何ぼ何でも認識されているようではあるが、それでも「heavy duty」という表現が誤解を招く。しかもメンツァー自身がその記銘が入ったTシャツを映像中・写真中着ている。トレーニングに限って言えば、その主張の核心は、トレーニングの強度を増すために(しばしば„maximum“にせよと述べている)なら思いつく限りのこと何でもせよということであり、ただしそれには筋肉の運動の構造について一定の知識が必要である、どちらとも私が本書で説明してしんぜようというものである。そのために低レップスのみ可能な重量の選択(とは言え1〜2レップスなら今度は強度が下がるという事になろう)、1部位につき1〜2セットという集中的内容、インターバル短縮という意味でもだがトレーニング時間の極力の短縮、ということなのである。なお強度(intensity)の定義が40頁に書いてある。

次にfailureすなわち挙上不可能レップであるが、「positive failure」とは別に「良い意味での失敗」だとか「発達につながる失敗」だとか言う意味ではなくて、ポジティブ動作での、つまりconcentric contraction(求心性/短縮性収縮)でのレップスが継続不可能になることである。現に「negative failure」という表現をしている(91頁)が、誤訳者どもはこれを《悪い意味での失敗》だとでも考えるのだろうか。勿論「negative failure」とはネガティブ動作での、つまりeccentric contraction(遠心性/伸張性収縮)でのレップスが継続不可能になる地点のことである。遠心性収縮を重視した挙上というのはこういったものである。(動画の人物Lukáš Osladilに関して本シリーズ第5回参照)。

そしてメンツァーからするとネガティブでオールアウトしてこそ初めて本当のオールアウトだと言えるのだから、「negative failure」はもっと「良い意味での失敗」ということになってしまう―「ネガティブ」なのに。また、求心性と遠心性という動的収縮(dynamic contraction)の他に静的収縮(static contraction)の効力も力説する以上、当然「static failure」ということも言う(97頁)が、これは筋の最大の収縮状態でのウエイトの保持が不可能になる地点のことである。確かに、「failure」とは「どれだけ筋力を発揮してもあと1回のフル収縮レップが不可能」という地点だという言い方をしていて(87頁)、こういう文言を聞くと、「failure」とは即ちポジティブ動作での限界、やっぱ求心性収縮がんばってなんぼと勘違いしてしまうだろう。が、少なくともこのH I Tの主著の、HI   I   T原理応用編である第3部を読む限りでは、ポジティブよりもネガティブ発揮とウエイト静的保持の方を遥かに重要視している。

現在のボディビルダーでネガティブ動作を重視している人物としてLukáš Osladilが居る。大変参考になるからトレーニング動画を貼っておく:

ネガティブに関して、ポジティブレップスとフォーストレップスを無しにしたネガティブレップスだけのセットを行うことすら提案し(93頁)、静的収縮限界までのウエイト保持というトレーニング法に関して、やはりポジティブを行わずに、ポジティブ動作では挙上できない高重量(挙上者にとっての)を補助者に挙げてもらってstatic failure+ネガティブを行うという方法を提案し推奨している(98〜99頁)。

次回の記事に続く