形容詞の語順ルールは英語にしか無いわけではない。知らんかったんか?
英語などというダラシのないカス言語などと違って、ドイツ語は、色んな局面で語順が厳格に決まっているが、知っている人間は ほぼ一人たりともいない。そもそもドイツ語を誰もろくに知らないことは措いても、まず文に精確な語順ルールが有るし、副詞だって テキトーに並べてるんじゃなくて一定の傾向に従っている。
こういった語順は、決まっているというだけでも厳格で煩雑なのに、その上、状況や文脈で厳格に変えなければいけないのだから、なお煩雑になる。ということのよく知られた話が、情報価の高いもの(文脈上新出情報)を後に送るから、情報価によっては元々の語順傾向が変わることがいくらでもあるということだが、別にそれだけではない。
それ以外にも、語順変動加味要項がある。例えば、名詞同士が並ぶときには1→3→4格デス!などと四角四面に理解していたらあかんもので、
の第1362項(882頁)を見ると、生き物→非生き物というルールが有って、それによって、
Bekanntlich stört großer Lärm Katzen.
よりも
Bekanntlich stört Katzen großer Lärm.
のほうが優先しないといけないことになるとある。1→4ではないのである!!!
生物・無生物が並んだ時には、4→1にもいくらでもなりうる。ただ、もちろんのことだが、情報価に差がない場合のことであって、差がある時には、新出情報ほど後に送るの原則がヨリ働く:
Da störte der große Lärm eine durchs Loch hineinschlüpfende Katze.
「大キナ音ガシタワケダガソレデ影響アッタノハ、猫ダッタンデスヨ」
情報価によっては、四角四面の1→3→4など、もっと崩れる:
Die Katzen setzte dieser miesen Störung ein großer Lärm aus.
4→3→1だよ、参ったか!!!!
このように変動するから、情報の流れに応じて柔軟に変更しないといけないから、したがって事実柔軟に変更しているからであるのか、ドイツ語には決まった語順の規則が無いと思われがちなようなのであり、したがって、本当はある規則がろくに話題にのぼらないようなのである、推測するに。
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に記してある列挙試作に加味してみる(加味しないといけないのは、この第8版だと上々掲第9版よりも列挙傾向説明に不足があるから)と、こんなようになる: