機能動詞(セット)の記事等でも見ている無冠詞の問題。
第一、
- 作者: 橋本文夫
- 出版社/メーカー: 三修社
- 発売日: 2002/03/15
の19頁に
名詞が前置詞に支配されて状況・状態・仕方を表わす場合、普通ならば冠詞を要するようなときでも,無冠詞が多い〔強調引用者〕
として、
- unter dem freien freiem Himmel
- bei dem (einem) offenen offenem Fenster
等と言うと言っている。これは、ググってCtrl+F (+F3) での統計を取ってみると、「多い」どころではない。なんでそんなに、前置詞と形容詞を名詞に付けるときには冠詞を外したがるのか。
(ちなみに「どころではない」は「もっとずっと甚だしい」という意味である。それしか意味はない。ところが、単に「ではない」の意味に使うバカがおる。特に、老害という、やたらと間違った日本語を使いたがる池沼ども。こいつらは、例えば「もう着いた?」に対して「いやまだ着かないよ」と答える。そんな異常キチ〇イ日本語を平気で使えるほど日本語ができないアホたちである。こんなんでよろしかったんでしょうかね。)
また、無冠詞用法をどの文法書よりも網羅している
Hammer's German Grammar and Usage (Routledge Reference Grammars)
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2011/05/27
の4.9.1(76~77頁)にもこの事実の指摘が有る。ここでは不定冠詞に話を限っている。
The indefinite article is often omitted in adverbial or adjectival phrases consisting of preposition, adjective plus noun
This is common where a set phrase is extended by an adjective and is characteristic of formal registers〔強調引用者〕
として、やはり不定冠詞が付いているはずの構造からこれが落ちて前置詞+形容詞+名詞になっている例を挙げている。それはここでは挙げない。なぜなら、今もう既に心当たりがあるであろうぐらい非常によく見かける結構だからだ。Hammer'sがこのように「文語調」と言っているように、この結構を我々は文献上で山ほど見ている。
なぜこうなるのかを説明している文章を見つけれん。しかし推測できるようになってる。それには、
Der Duden in 12 Banden: 4 - Die Grammatik
- 出版社/メーカー: Bibliographisches Institut & FA Brockhaus AG
- 発売日: 2016/08/01
の第1518~1520項(955~957頁)で論じている「性数格表示語句〔Merkmalträger der Nominalphrase〕」という知見が要った。
ここを読めばよく分かることで、この記事の末尾にも書いたが、冠詞が名詞に応じて変化するという学校で教える/学ぶのを逆に考えなければならず、性数格表示を自分ではほとんど出来ない名詞の性数格を冠詞たちが表示してあげる、という発想で行かなければならない。という発想で行くだけでもまだ足りず、(「単語」などというアホ丸出し呼称は論外として、)「語」などどという見方に囚われているのを辞めなければならない(というのはサピアがまた別の方面からだが既に言っていたことである
- 作者: エドワードサピア,Edward Sapir,安藤貞雄
- 発売日: 1998/11/18
)。Dudenが取っている「句構造〔Phrasenstruktur〕」という観点にええ加減我々も馴染んで行こう。名詞というより名詞句が存在する。
- 堀未央奈:1名詞から成る名詞句
- die 堀未央奈:1冠詞と1名詞から成る名詞句
- die damenhafte 堀未央奈:1冠詞と1形容詞と1名詞から成る名詞句
- die 堀未央奈 als 2期生:1冠詞と1名詞から成る名詞句+1接続詞と1名詞から成る接続詞句
- unter freiem Himmel:1前置詞と1形容詞と1名詞から成る前置詞句
そして、この世のどこででも全く指摘されていない(と決めつける)が、現代言語学の言うこのような句という単位が、伝統的西洋詩学の言うKolonというリズム単位と重なっていること多々(ということに関してこの記事も参照)。だから、少なくとも英独ゲルマン系言語並びにこれ周辺のインド・ヨーロッパ語族を有意味に(別に精確にでなくても)発音するには、句構造という分け方で文を発するようにしていかんといかんのである。