地上最強のブログ

しばいてくぞ

二重完了(総合から分析へ) (1.1)

 

なぜ現在完了が過去時制をやるのか。キツい…。

現在完了が過去時制をやるのはラテン語などもそうだし、とにかくおいそれと論じれはしないのだが、ドイツ語文法内だけで言っておくと、完了(Perfekt)とは、定動詞の時点を基準にしてそこから前の事を表すものである(Vorzeitigkeitstempus)。

  1. Sie hatten 摩天楼の距離 gesungen.
  2. Sie haben いびつな真珠 gesungen.
  3. Sie werden サボテンとゴールドラッシュ gesungen haben.
    (bzw. Sie haben ずっと ずっと gesungen.)
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1.だと、視点がまず過去時点(hatte-)に有り、そこから前の出来事が歌謡行為であり、この過去時点(hatte-)で当行為が了してる(per-ficere)(終わってる/締め切られてる)ことを完了分詞(gesungen)で表現している。歌ワレタモノトシテ持ッテタ。この過去時点の視点から何らかの終わった行為を見ている、ゆえに、潜在的であれ常に(単純)過去時制(形)とセットとなる。

(「完了分詞〔Partizip Perfekt〕」というのは現在では「第2分詞〔Partizip II〕」と言う(「過去分詞」とは言うなよ)。どんなものでもこうやって機能的に番号で呼ぶのが正しい。月や週に皇帝や神族の名前付けるな。台風に名前付けるな。なにがカトリーナじゃキモいわボケ。)

3.だと、視点がまず未来時点(werde-)に有り、そこから前の出来事が歌謡行為である。飽くまで、この未来時点(werde-)では当行為をもうしてはいない。そこで切れてる(完了)。歌ワレタモノトシテ持ッテイヨウ。だからこの未来時点の視点から何らかの終わった行為を見ている、ゆえに、潜在的であれ常に(所謂)未来時制(形)とセット、となる。(ry

2.だと現在時点(habe-)から前の出来事を言っている。ただ、ここでは視点が今だから、完了文が単純に過去叙述になることも出来てしまう。確かに、この現在時点でその行為が終わったよー!!了った・締め切った!! Das ist mein gewesenだから今は所有していないよ!!!という意識が強くあってもいい、それも完了文、それが完了文。歌ワレタモノトシテ持ッテオル。だから完了文だと「~た」と締め切り完了の含意があり、過去時制文だと「~ていた」と漠然と過去事象を叙述している、という区別が有ることも有るには有る。ただ、とは言っても、漠然過去文の代替にもなる訳で、ほんまか知らんがよく言うように南ドイツを中心に現在完了が漠然単純過去時制(形)を駆逐し出していると読んだ覚えがあると記憶しているとテレビで見たことがある(アナログ人間ども、「どこかで読んだのですが」「昔テレビで」式の石器時代風の原始記法をやめろ!逐一ググれや!!!)。

いいでしょうか、

  • Sie haben Lieder über sich selbst gesungen.
  • Sie sangen Lieder über sich selbst.

が等価になっている現象が今話してることである。これは、総合的言語から分析的言語へと言語が振る舞いを変えて行くという汎言語的な事象である。1語(sangen)を分裂2語構造(haben … gesungen)に割る、これを「分析」と言う。Analytischer Sprachbauへと移って行っている。ドイツ語だと、(構文法に限って言うと、)完了文への分析と他にもう1個、

桜、みんなで食べた

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  • Sie äßen ihre 悲しみの理由.
                  ↓
  • Sie würden ihre 悲しみの理由 essen.

のような、würde- … Infinitivという、接続法第2式(形)上の分析がある。どういうことか。

完了文のケースと同じことなのだが、まあせっかく出したんやし、この接続法第2式(形)上の分析を例にして見よう。「äßen」に次のような文法素性と語意が入ってある。

  • äßen[定動詞]主格主語と対格目的語を要する2価動詞・主語複数・現在時制・接続法[意味:食べる]

1人称3人称かという点でだけ情報が曖昧である。これが助動詞と不定形動詞の2つに割れて、

  • würden[定動詞]主格主語と対格目的語を要する2価動詞・主語複数・現在時制・接続法
             
  • essen[意味:食べる]

となる、定動詞の座に就くのが助動詞であり、その助-定動詞が文法表示のみを担当して、意味表示を不定形動詞に全任している。「äßen」に総合されあった情報が「würdenessen」の2部分に分析されたという訳である。これが言語のanalytischな振る舞い。繰り返すが《過去(形)定動詞現在(形)定-完了助動詞+第2分詞》も全く同じ話。

といった総合→分析に関して是非述べなければならないことを註記事で述べる

一方二重完了の話に進みたいなら、
こっちの記事