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しばいてくぞ

ドイツ語から日本語が分かる (1) Abtönungspartikel (1)

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パウル・ツーェランに「Aber-Du」というスコラ神学が有る。ネリー・ザックスを指す。2人とも20世紀ドイツ語大叙情詩人である。1ミリも興味無いから委細ggrks。

でaberだが、

  1. Die Aussicht war aber hervorragend.
  2. Die Aussicht war aber hervorragend!

のaberたち、まったくの別物である。文脈なく話してても仕方ないから足すと

  1. (Das schlechte Wetter hat leider unseren Ausflug verpatzt.) Die Aussicht war aber hervorragend.
  2. (Endlich haben wir die Höhe bestiegen.) Die Aussicht war aber hervorragend!

日本語にすると

  1. 曇ってばっかで行程台無しだった。景色のほうはaber)抜群だった。
  2. 登頂したんでさ。景色ほんとaber)抜群だった。

と言っている。
念のためもう一度対比すると(「念のために」から「に」を取るな、「までに」から「に」を取るな)、

  1. 景色、よかった。
  2. 景色、よかった

日本語の勉強になるなぁ。いやなってくのはこれからである。

1.のaberはフツーの「逆接」の接続詞。おわり。とはいえ、「aber=しかし」や「leider=残念ながら」や「endlich=ついに」といった副詞直訳愚昧思考はやめような。「逆接」つまりaberは前文への対比(「のほうは」)を意味している。「leider」は完了事態の変更不可能性、「endlich」は完了事実の完了性確認を意味している。いずれにせよ概念と理屈で考えよう。「訳」すな

2.のaberは、文に味付けしている不変化詞である。味付けするから「Würzwörter(味付け語)」というが、正式名称は「Abtönungspartikel(着色詞)」と言う(Tonは「音」と「色」を表す共感覚語である。

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)。ただ「正式」なのは、元は「Modalpartikel(モダル詞)」に対してである。モダル詞と混同されてきた着色詞。今(というか半世紀前から)、着色詞にポットから熱い「まなざし」(←きっしょ!!)が注がれている。共感覚である。

面子を見ると、

aber, auch, bloß/nur, denn, doch, eben, eigentlich, etwa, (gefälligst), (gleich), halt, ja, mal, nicht, ruhig, schon, überhaupt, vielleicht, wohl

というもの(15世紀初頭での使用例)。どれも、本来は接続詞や副詞だったりするもの。一方モダル詞というと、also, bestimmt, ganz, hoffentlich, noch, zwar等のようにただの副詞ってものも有る。と言って着色詞がモダル詞の小集合というのでもない。でもある。でもない。区別は難儀、説明する人間によって区別(混同)がまちまち。

いずれにせよ上記モノホンの着色詞たちに関してその同形語と語意を区別するのが大事ということ。念の為に違いを例示すると:

  • Denn du heißt Wie.(ウィエ君だからな。   ウェルテル   → ヴィーアタ)
    ・・・「理由文」導入の等位接続詞「なぜなら」とかやめてな、みっともない
  • Wie heißt du denn?(名前何だったかいな?)
    ・・・着色詞
  • Du sollst nur das tun.(それだけやってもらうから。)
    ・・・「限定」の副詞
  • Was soll ich nur tun?(何したらいいんだ?)
    ・・・着色詞
  • Du hast schon gesehen, wohin das führte.(どうなったか分かったんやろ)
    ・・・「事態・動作等完了確認」の副詞(「すでに」とかやめてな、みっともない
  • Du wirst schon sehen, wohin das führt.(どうなるか分かるから。)
    ・・・着色詞
  • Das geht vielleicht schön.(悪くならんかもしれん。)
    ・・・「予料」の副詞(「たぶん」とかやめてな、みっともない
  • Das war vielleicht schön.(しかし良かった。)
    ・・・着色詞

といったことになる。 

次回の記事に続く