- SKE48
- 発売日: 2016/03/30
- メディア: MP3 ダウンロード
一義的に男性名詞と決まる語尾がこれだけ(外来語):
- -ant: Konsonant, Demonstrant
- -mus: Orgasmus, Sarkasmus, Organismus, Nationalismus
- -ast: Kontrast, Palast, Cineast, Bombast
- -or: Motor, Monitor, Traktor
- -us: Rhythmus, Zirkus, Zensus, Medikus, Abakus
固有語だと:
- -ich: Bottich, Fittich, Kranich, Teppich, Estrich
- -ig: Käfig, Honig, Essig (das Reisigが例外)
- -ling: Schmetterling, der Engerling, Lehrling (die Relingが例外)
他に、-er語尾の動詞派生名詞(Doppelgänger, Nebenbuhler, Wi(e)dergänger)、強変化動詞過去形語幹から作った単音節語(Gang, Fang, -spruch)、不定詞名詞化でない所のen語尾名詞(Kuchen, Wagen, Lappen)などがどれも男性。ただし、
- 動詞派生名詞でない-er語尾名詞、それと-el, -en語尾名詞、の60%が男性(Flügel, Löffel, Schatten, Fehler)。
- Butter, Gabel, Regel, Wurzelなど、-el, -erの語尾の25%が女性(-en語尾の女性名詞は存在しない)。
- -el, -en, -er語尾の残り(約15%)が中性。Segel, Zeichen, Fieber, Messerなど。
という数字の典拠だが、
Hammer's German Grammar and Usage (Routledge Reference Grammars)
- 作者: Professor Martin Durrell
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2011/05/27
の8頁(他にも、名詞解説章だけに限っても、有益な情報が満載目白押し)。
語意も判断基準になる。季節・暦・方位・鉱物・植物由来の飲料・車名・ドイツ国外の河川・通貨・山(系)(Herbst, Januar, Süden, Quarz, Tee, der BMW, Ganges, Euro, Ätna)が男性名詞。ただ例外が少なからずある。他に語意から男性名詞と決まるパターンだが本シリーズの最初の記事に書いた。
以上でドイツ語の性の法則の一部を見て来た。見て来た順のように女→中→男の順で法則性がなくなる。いいか、「男・女・中」の並びには何の意味も無いぞ。それは、冠詞等の付加語の性数格変化(「格変化」という言い方は誤り)や名詞自体の変化を見る時にも同じで、今後は女性/複数、男性/中性の2ペアで考えるように(中性は男性の派生物)。「男性女性中性複数」という並べ方を、バカの1つ覚えと言う。
それは、格についても同じである。1格・2格・3格・4格という順は、間違いである。1格と4格がいわば対であり、2格・3格が1・4格よりも非本質的なものである(2格→3格の順で)。
現代ドイツ語では男性・単数以外1・4格が同形であるが、こんなんをぼけーっと見てたらあかんぞ。確かに数字で見ると1423はおかしいだろうが、現在 数字でやってるのは日本ドイツ語だけであって、Nominativ, Genitiv, Dativ, Akkusativの順番がどう入れ替わっても違和感は無い。そして、このシリーズで追究していることだが、人間は、正確な知識が/でなくても何かしら説明をこね繰り出すものである。それは認知バイアス研究で十二分に判っていることだ(別に「作話」だけでない)が、トーシロー俗衆には全然まったく分かっていないことであろう。
の276~277頁に載ってることだが、関口存男という、勘違い痴愚人たちに間違って崇め奉られてしまっている漫談家が、1格・2格・3格・4格という順番がどれだけ不動不変の真理かということを妄念したくなって、この順番で神が創造を行ったという噴飯物も噴飯物の酔狂を残しよった(もちろん信者はこれも崇めるだろう)。これは、まるで、或る他国民に支配搾取されている或る国民が、その支配を、支配側が望んでいる訳でもないのに進んで正当化しようとしてイデオロギーをこさえてあげるような、滑稽でみじめで哀れで悲惨ですらある絵面をどこか想わせるだろう。関口が優れている特質はこのような幇間行為にあるのだ。まちがえんな。で言いたいのは、幇間式格説明は1・4・2・3でも全く同様に成り立ってしまうということである。自己が自己に反照しその対象=体(4)格が生じる。これで1・4のペア。両者に主奴関係が始まって片方からの所有が生じる。ほら2格出来た。しかし、社会契約によって、互いに(対象物や所有物を)与えるという関係が始まり、間接目的語的存在が到来する。はい3格。… これが説明というものだ。
さてドイツ語の名詞性に関しては、新外来語の性決定というしょーもない問題や、複数の性を持つ名詞(der/das/die Dschungel)とかいう示唆深い問題や、性が別になって意味も別になる名詞(der/das Mensch)という問題がある。最後のは、ドイツ語における同形異義語多すぎという(Synkretismenとも重なる)問題(Mark、Fels(en)系、sie/es/er macht vs ihr macht、zu不定詞句支配・完了助動詞・「所有」本動詞・受益受動助動詞すべてを兼ねるhaben)とも絡んで、一朝一夕では到底論じ難く、また、読者も、シリーズにだらだら続かれるとうっとしいだろうから、名詞性はここまで。